「子どもたちの兄弟仲が悪すぎて心配」
「毎日朝から晩まで兄弟げんか。もういいかげんにして!」
子どもたちの仲が悪くて四六時中ケンカばかりしていると、イライラしてきますよね。
血を分けたきょうだいなんだから、仲良くしてくれたらいいのに…と悲しい気持ちにも。
このブログ記事では、子どもたちのきょうだい仲を悪くさせないために、親が実践できる心がけについてまとめています。
目次
きょうだい仲が悪くなる原因って?
子どもたちの兄弟仲を悪くしてしまう親の行為に「きょうだいを平等に扱わない」「兄弟差別をしてしまう」ことが挙げられます。
もちろん、子どもどうしの相性もあるので、親がいくら平等に接していても残念ながら仲が悪くなってしまうケースはあります。
ですが反対に、親が子どもを差別的に扱っている場合、必ずと言っていいほどきょうだい仲は悪くなります。
きょうだい仲が悪い家庭の実例
兄弟仲が悪い家庭の実例として、筆者と弟の事例についてお話させてください。
私には3つ下の弟がいます。
物心ついたころにはすでに弟とは仲が悪く、まさしく犬猿の仲でした。
一緒に公園で遊んだりすることもありましたが、最後には必ずと言っていいほど大喧嘩。
親から「ふたりっきりの兄弟なんだから仲良くしなさい」と言われるのが苦痛でした。
事の発端は母親の「上の子かわいくない症候群」
私と弟の兄弟仲が悪い原因を考えてみたときに思い当たるのは、母親が重度の「上の子かわいくない症候群」だったことです。「上の子かわいくない症候群」は私が高校生になるぐらいまで続きました。
母親にとって私はかわいくない子供だったのか、よくわからない理由でキレて怒鳴られたり、罵倒されたりするのがわりと日常茶飯事でした。
一方、容姿も愛くるしく、幼いころはあまり手もかからなかった弟はとってもかわいがられていました。露骨に不平等な扱いを受けるうちに、いつしか兄弟仲も悪くなってしまったように思います。
母親によるきょうだい差別が不仲を加速
お姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだから弟(妹)に優しくしなさい。
こんなふうに言われて理不尽な思いをした経験のある方も多いと思います。
私自身もしょっちゅうこのようなことばを投げかけられて育ちました。
特に母親は私に対して厳しく、きょうだいげんかをして怒られるのはいつも私でした。
けんかして弟が泣き出すと母が飛んできて、私をビンタして強制終了。これが日常茶飯事でした。けんかの仲裁をしたり、けんかの原因を尋ねられたことは一度もなし。
母は弟を溺愛していたので、けんかの原因なんて関係なく、いつだって弟の味方でした。
けんかを止めたあと、母は弟を抱きしめ慰めて、弟と一緒になって聞こえよがしに私の悪口を言っていました。露骨なきょうだい差別が悲しかったですね。
きょうだい差別をするとどうなる?
我が家の場合はこんな悪影響がありました。
- けんかの原因も訊かずに、一方的に悪者にされて不完全燃焼
- 自己肯定感が下がり、「どうせ私なんて…」と卑屈に育つ
- 弟に対しては「いけ好かない奴」という嫌悪感
- とりあえず泣きさえすれば母親が味方になってくれる
- 母親を味方につけたことで天狗になり、舐めた態度を取る
- 絶対に自分の非を認めない性格に育つ。学校や職場での人間関係にも悪影響
きょうだい差別をされる側からすると、一方的に悪者にされて責められるという理不尽さに傷つき、ますますきょうだいのことを嫌いになってしまうんですよね。また、自分は親に愛されていないという絶望感から、自己否定的な気質に育ってしまうなど、性格面にも深刻な影響があります。
一方、親から優遇された子どもにも決して良い影響はありません。
母親が常に味方についてくれるという優越感から、きょうだいを見下して馬鹿にするようになります。
親によるきょうだい差別が兄弟仲を悪化させる!
佐藤ママに学ぶ、仲良しきょうだいを育てるコツ
子どもたちの兄弟仲の悪さに悩んだとき、参考にしたいのが佐藤亮子さん(佐藤ママ)の子育て。
佐藤ママは4人のお子さん全員が東大理三に進学したということで、テレビや講演などの各種ひっぱりだこのママ。佐藤ママというと「東大」ばかりがクローズアップされがちですが、その愛情深い子育てスタンスは多くの保護者にとって参考になるものです。
そんな佐藤ママは子育てにおいて、きょうだい間の「平等」「公平」に徹底的に気を配ったといいます。
「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」とは呼ばない
きょうだいを育てるうえで絶対に守りたいルールとして、佐藤ママは以下のふたつをあげています。
- 役割を背負わせないこと
- 誰にも嫉妬させないこと
佐藤家では、上の子を「お兄ちゃん」とは呼ばずに「しんちゃん」「みいちゃん」のように名前で呼んでいたそう。
その理由は、「お兄ちゃん」という呼び方は役割を背負わせるものであるという考えと、きょうだいは年齢順に関係なくみな平等という考えがあったからです。
きょうだいげんかには母親が介入
どちらかの肩を持つことはもちろん、適当にあしらったり、強制終了させたりするだけでは絶対にダメ。子どもたちに不満が残ります。それが積もり積もると、お互いに「いけすかない存在」になり、きょうだい仲が悪くなってしまうのです。
引用:「私は6歳までに子どもをこう育てました」佐藤亮子 著
このように語る佐藤ママ。きょうだいげんかに対してはどう対応していたのでしょうか。
- けんかの原因について双方から事情をきく。
- 双方の意見や言い分をきいたうえで、親が解決策を示し、納得させる。
- 親が”大岡越前”になり、いけないことはいけないと指摘。
親が徹底的にことばを尽くして、解決へと導くお手伝いをしてあげたのですね。
子どものけんかだからといって甘く見ず、根気強く向き合うことで、後にわだかまりを残さないようにすることが一番大切です。
徹底的に「平等」「公平」に扱う
「食べ物の恨みはこわい」といいますが、食べ物の配分については佐藤ママも特に気を遣ったそう。
とくに食べものに関しては、一切不平等が生じないよう気をつけました。お肉の大きさも、フルーツやおやつの数も、年齢にかかわらず常に同じ。まだ小さい子にとって多すぎる場合は、食べ足りないお兄ちゃんたちに譲っていく、というスタイルを取りました。(複数のお兄ちゃんが立候補した場合は等分するか、それができないものは究極の平等「じゃんけん」です)。
引用:「私は6歳までに子どもをこう育てました」佐藤亮子 著
他には、おもちゃなども取り合いを防ぐため、同じものを人数分購入していたそうです。
親からきょうだい差別をされた心の傷は大人になっても消えない
本来なら平等に愛情を注いでくれるはずの親から受けるきょうだい差別。
きょうだい差別をすることできょうだい仲が悪くなるのはもちろんですが、それに加え、親による差別は無邪気な子どもの心を深くえぐり、傷つけます。
今回取り上げた佐藤ママも、幼少期にたった一度だけきょうだい差別を受けたことがあったそうです。その内容は、母親が人からもらったヤクルト(のような飲み物)を、佐藤ママにあげずに弟にあげてしまった、というものです。
他人からすると「え、そんなことで?」と笑いとばしてしまいそうな内容ですが、佐藤ママご本人は「50年近く経った今も、あの情景が目に焼き付いています」と著書で語っています。
私自身も、幼少期に母から投げつけられた辛辣な言葉を、30年近く経った今でも忘れられません。
あれだけ仲の悪かった弟。さすがにもうけんかはしません。だけど、ともに実家を出た今では、冠婚葬祭で顔を合わす以外には連絡を取り合うこともありません。
我が家のような悲しいきょうだいを生まないためにも、きょうだいは「平等に」「公平に」愛情を注いであげましょう!
最後になりますが、この記事は「兄弟仲が悪い家庭の原因がすべて親のせいだ!」などと言いたいわけではありません。それぞれの家庭によって事情は千差万別ですよね。その点だけ誤解の無いよう申し添えさせていただきます。
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